<<インターネット心理療法>>(9)

2006 年 5 月 27 日

 親の考え方には次の様なものがあります。

色々とありますが少し整理してみましょう。

 

○ 親自身が育ってきた過程、幼少期~思春期~現在にかけて{心を満たせなかった}事柄を、自分の心を満たすために“子供にその部分を求めようとしている”。

自分の満たせなかった事柄を子供に求めるから大変です。

 

○ 親自身が自らの親に求められた様に、自分の地位に満足しながら“子供を自分の地位まで引き上げておこうとする”。

これも、子供は親の心にはついて行けないものです。

 

○ 親自身が、“幼少期から貧乏だった”、“不幸だった”、“自分の親の様になりたくなかった”また、“自分は幼い時に苦労したから、自分の子供もこの程度の苦労は当たり前”などと考えていると、複雑な思いで子供を育てる事になります。

 

○ 子供には自分の様に苦労しないように育てたいと考えている。

 

 親自身、幼少時に自分の親から虐待などを受けていた場合、余程注意していないと“子供を虐待してしまう”事も多くありますね。

親から虐待を受けて自分が育ったから、自分の子供にだけは<虐待しない>でおこうと考えている親は立派だと思います。

しかし実際に人間社会で、そんな親が思わぬ苦労をしていると、“気づかないままストレスを子供に持って行く”場合も多いですね。

 

 親自身、自分の親から無関心のまま成長した場合は、子育ての方法を知らないままで時間が流れる事も多いですね。

要するに、親自身が自分の親から放任主義で育った場合、どちらにでも子育ては流れるものでしょう。

子供は自分の親を{反面教師}として受け取って育つ場合であれば結構と良いのですが・・・。

親自身、自分の親が嫌いだと思い続けて育っても、同様に{反面教師}ととるか、そのまま親を恨みっぱなしで育って行くか、人生は180度変わる事があります。

親自身が、自分の親から過剰干渉で育てられた場合も矢張り紙一重で、{反面教師}ととるか、そうでないか・・・如何なる方向に流れるかでしょう。

 

いずれにしても子育てをして行く親は、自分の過去に歩いて来た心の奇跡を十二分に知っておくことが重要ですね。

親自身が「インターネット心理療法」を体験するだけで良いのです。

とにかく、親は“本当の自分の心”を、本音も建前も知っておかないと大変です。

 

 親は自分の生い立ちを熟知して、始めて子育ての{立て治し}ができるのです。

<<インターネット心理療法>>(8)

2006 年 5 月 26 日

 平成17年末には、(株)文芸社より「インターネット心理療法」なる書物を出版させて頂いた。

著書では、親と子の心の関係、子供が成長して行く過程にて子供へのスキンシップというか、育てる過程において子供が一般常識のある大人に育つには、親の子育てが大切なのだ・・・・と、書いた箇所が多かったと思っている。

子供が育つには、親の考え方が重要だと伝えたかった。

子供が所謂健常な大人に成長するには、心の持ち方が本当に大切なのだと“親”に「もう少し<子供の事柄>を本気で考えて下さい」と訴えたかったのである。

 

 当方の心理療法の現場に訪ねて来られる親達にお会いし話を聞いていると、何時も「自分の子供を何とか治してあげたい」と考えておられる。

「一生懸命に何とか子供を自立させてあげたい」と考える親は立派だと感じてはいる。

だが、もう少し熟慮して頂けたらと思っている。

親の過剰干渉は決して良くない。

親は、子供が大人になった時に世間で優秀な人間だと褒め称えられる人に育てたいのである。

子供が幼い時から“親の考え方”を子供に押し付け、また、“親の理想像”を持って育てる親達も本当に多い。

親は、自分の子供が大人になり俗世間に出て行く時、誰にも負けない立派な大人になるように育てたい事は確かに良く理解出来る。

だが、子供達は決して{親の道具}ではない。

人間世界について、何も知らない子供に親の考え方を植え込もうとする、そんな親の気持ちを理解できる子供が何処にいるだろう。

「親の心、子知らず」の時代は既に昔の話である。

子供の時から親の心を理解できながら育つ、そんな子供はいる筈もないだろう。

 

 ちょっとした「機」で、子供の心は<怠け者の道>にでも、<立派な切磋琢磨の道>にでも流れて行くものであろう。

幼い時から子供を優秀に育てたいと思う程、子供にはストレスがかかって来る。

幼少時から子供に“親の思いを知って欲しい”と思うだけで子供の心は疲れてしまう。

ここでは、子育ては<ほっておいて良い>と言っているのではない。

親がどんなに学問的に優秀でも、子供が<優秀に育たたない>場合は沢山とあるものだ。

赤ちゃんから育つ過程で、年相応の考え方を持って子供が育てば良いのである。

が、世間の親達は急いで子供を大人にしたいのである。

注意すべきケースがある。

これについては、これより少しずつ書いて行きたい。

 

ここでは『「子の心、親知らず」して、子供の心を矯正することは不可能だ』と伝えておきたい。

この言葉を親は明確に<心に留めて>おいて欲しいものだ。

<<心の世界>>衝動買い(2)

2006 年 5 月 24 日

 当人も「衝動買い」を止めたくて悩んでいるのですが、一番に悩むのは親ですね。

親が助言しても「衝動買い」は止まらないから大変です。

本当に困る事は、お金が足りなくなっても買い続ける人達もいますので、借金がたまり返済金で親が困るのです。

親が借金を戻しても、また「衝動買い」を繰り返す場合が多く、最終的には親の負担が続くだけです。

とにかく、借金をつくり返済し、また借金をつくり・・・と、同じ状況が続いて行きます。

「衝動買い」の程度の差は人それぞれに有るので、ケアの仕方も少しは違います。

 

 原則的には当人の人格・心の問題なのです。

明確に表現すれば、その人の心の弱さで自分の心と行動を制御できないだけなのです。

人間社会で生きる以上は、自分の心を明確に知っておく事が大切です。

生い立ちの自分の過去の心が、現在の自分の全ての会話と行動と心を支配しています。

 

 「衝動買い」を治そうと思えば簡単に治ります。

唯、皆がその方法、その“心理療法”を知らないだけです。

日本では『心の治療』が大変に遅れています。

また、お医者さんが“心理療法”の勉強をされていない・・・、これは、頭で理解していても駄目なのです。

自分が、実際の現場で“心理療法”に長期間にわたり関わった体験か、お医者さんでも自らが“心理療法”の体験をしておかないと、本当の“心理療法”を理解できないものです。

 それからもう一つ、多くの日本人の抱えている考え方が大きな問題だと思われます。

これは一般の皆さんに言える事なのですが、人間社会で生きて行く上で「ストレスが無い」と言われる人々が多いのです。

人間って、面白いですね。

悲しいと言えば悲しい現象なのですが・・・。

自分がストレスや心の葛藤を大量に抱えていても「自分にはストレスは無い」と言います。

今現在に“心の葛藤”を感じない人達も確かに居られます。

しかし、そんな方達も自分の生い立ちの心に動かされている事を充分に確認しておいて欲しいのです。

「自分は何もストレスが無い」と思われている人は、余程に今の自分の境遇に恵まれているのでしょう。

それよりも、もっと高い境遇を希望していれば“何らかの心の葛藤”は有る筈ですね。

自分の境遇に満足していても、周囲の他者の心を傷つけている事に気づかない事がありますので注意が必要ですね。

優越感と自惚れの心は案外と怖いものです。

自分の抱えている心、その心に優越感も劣等感も無い方が良いです。

一般的に劣等感や沢山のストレスを抱えていても、“無いと錯覚している事”が本当に怖いです。

 

「心の葛藤が無い」と思っている人達も、自分の過去の心を振り返っておく事が大切でしょう。

<<心の世界>>衝動買い(1)

2006 年 5 月 23 日

 他の人から見れば、「衝動買い」なんて簡単に止められそうですね。

しかし当人にとっては、なかなか止めようと思っても止められずに悩みます。

眼前の物、特に着る物や履く物、絵画などが多いですが何でも買ってしまう人がいます。

親から意見されても「衝動買い」は止まりません。

まして他者から注意や助言されても、その言葉などは全く役立ちませんね。

 

 どうして「衝動買い」をするのでしょうか?

本質的には、生い立ちの心の中にストレスを抱え込んで、心の底、即ち無意識や潜在意識の中(自分の深い心の中)で葛藤を処理出来ていないのです。

だから「衝動買い」をしてしまう本人は、自分の今の心をしっかりと操作できずに困っているのです。

今の自分の心を本当に変えたかったら、過去の自分の心を変える事です。

 消費者金融(所謂サラキン)などから借金するのも、自分がしっかりと返済できる能力を持っていれば良いのですが、返済の力量を持たないまま借金する場合が多いです。

殆どの場合で、家族、特別に親を困らせている事が多いです。

「衝動買い」も借金買いになる事が多いですが、自分がお金を返せる範囲であれば、まだ良い方でしょう。

生活費に追われて<身動き>出来なくなる場合も多いです。

 

 過去の自分の心の葛藤が、現在の自分の会話と行動と心を如何に動かしているか・・・、だけです。

皆、自分の本当の心に気づいていないのです。

だから自力でなかなか治せません。

 心の学習を、格別に無意識と潜在意識と顕在意識の心のトリックについて勉強出来ている人、また、格別に心理療法に長期間に渡り関わっている人であれば直ぐに分かる筈です。

過去の心を探索する“心理療法”さえ受ければ、自分の「衝動買い」の原点の心を理解出来るでしょう。

そうすれば、直ぐに「衝動買い」も治ります。

「本当の自分とは、どんな人間か?」を分かって生きる事が大切です。

 

 日常生活を有意義儀に生きる為には、誰でも<自分の歩いて来た過去の心の軌跡>を紐解いておくべきなのです。

見せ掛けの自分ではなく、本当の自分を生きる為にです。

それが出来ていれば、例え自分にどんな難題が振りかかかって来ても後悔しないで済みます。

自分の問題として受け止める能力が出来ているからです。

自分の建前と本音の心(潜在意識や無意識と言っても良いですが・・・)を、しっかりと体得しておくべきですね。

「衝動買い」止めたくても止められないのです。

当人は辛く感じていますが、他人が注意しても止まりません。

心理士が当人へ、“本当の理由・心の底”を教えてあげても伝わりません。

「何故そんな事を言われるのか分からない・・・」と、返事が戻って来るだけです。

腹も立つでしょう。

 

 本人が“心理療法”を受けて初めて体得できる<心の世界>なのです。

<<道徳>>「子育て・教師の責任」(4)

2006 年 5 月 22 日

 教師には、子供達の本当の無意識の心の病んでいる所が見えていない。

だから真実に、子供達の病んでいる心を矯正してあげる事は出来ない筈であろう。

顕在意識、潜在意識、無意識、どの心から矯正してあげるべきなのか・・・でもあろう。

今現在に呈している子供達の異常会話や異常行動を矯正するのに、やみくもに直接口言や助言や説教だけで治そうとしても、治るものでは無い筈である。

現実には、話しかけるよりも話を聞いてあげる方向ですすむことが良いが、なかなか喋ってくれない子供達が沢山と居る。

話を聞いてあげる方向で進もうと思っても、簡単に子供達は自分の気持ちを話さない。

また、仮にカウンセリング方式で<話を聞きだして>あげたにせよ、彼等の潜在意識と無意識は解決されないまま残ってしまう。

 

 長年月に渡って「心理療法」に関わっていますが、顕在意識、潜在意識、無意識、どの意識から援助、加療すれば良策なのか・・・です。

人の心の過去の暗闇に、完全に蓋をして過去を忘却してしまうことは無理なのです。

“過去の心”は、何時どんな時でも、人が人生の壁に衝突した時、過去の忘却していた筈の心が肥大化し圧迫してしまいます。

 人は、決して自分の過去を忘れません。

忘れて思い出さないにしても、その思い出さない心が<素早く動き始める>のです。

ここでは、子育てに関わる上で教師にも間接的には責任もあるだろう、と申し上げました。

それは、教師自身が自分の心をしっかりと学習して欲しい、そして、自分の心、人間学など、心の世界の<動き>を勉強しないと駄目だという事です。

教師が心の世界を学習していなければ、自分自身の心を知りません。

だから生徒達の心も理解できないでしょ!と言いたかったのです。

 

 教師が長期間休職し、挙句は教師を辞める・・・、または、辞めたくないけど職場に適応できないから辞める・・・、負け犬で終わるのです。

残りの人生で、また、過去に葛藤を残したままでは“未来の心”が危ないです。

教師も嫌いではないが、格別に自分の目的意識が有って辞めるのであれば良いのですが・・・。

漠然と、「何か別に良いものはないだろうか・・・」で辞めることは駄目ですね。

 

 教師自身も“心の学習”をして、親と子供の心の葛藤を喝破できる人となれば、此の世で怖いものは無くなるでしょう。

如何に問題児に対峙すれば良いかの理解と体得ができているか、です。

問題児の子供の親には、格別に親の過去の心を眺めてもらう事が重要です。

親、自分の子供、問題児の謝罪する姿勢も出て来るでしょう。

そんな親の顔を見て、異常な子供達ほど、親の顔や心の変化を簡単に気づいてくれます。

親と子の過去の<心の和解>、最高のものとなるでしょう。

 

 そこから子供の精神的成長が始まります。