<<うつ病>>究極の世界(14)

2006 年 9 月 15 日

 「うつ病」に罹るかどうかは、その人の{人生観}に関わっているだけだ、と伝えておきます。

本当に面白いというか当方から見ておれば、うつ病者の心には{簡単な心のトリック}がありますね。

うつ病者の心は決して複雑でもありません。

全ての心の{カラクリ}が見えるものです。

勿論、長期間心理療法に関わって来ないと、全くと皆さんには伝わらない「心の世界」の話ではありしょうが・・・。

 

 自分の心の底にマイナスの気持ちを抱えながら日常生活を送り「自分はとても真面目な人間だ」と思っているところが危険な考え方なのです。

 人は生まれ、成長し、人生の終末に向かって滅して行くだけなのです。

人生とは、唯、唯、それだけの過程なのです。

遺伝子の結合→胎内→新生児→乳児→幼児→学童→生徒→学生→青年→成年→壮年→老年・・・などの過程を通り、人は滅して行きます。

{生}あるものは、必ず{滅}するものです。

 殆どの人間は<近過去>と<近未来>だけしか見ないものです。

それが、普通の人達の考え方です。

しかし、これでは普通の人間で終わってしまいます。

{人生とは、何か???}、{自分の存在とは、何か???}、{他人と自分???}、{動植物と自分???}、{自分と太陽系???}、{自分と銀河系???}、{自分と宇宙???}・・・などの関係を、とことん見詰めて熟慮してみる事です。

これらをしっかりと眺めて体得出来ている人ならば、自分の人生を生きるのに不平・不満・やきもち・嫉妬・妬み・恨み、などは持たないものです。

だとすれば、劣等感・優越感・自惚れ・も持たないで済みます。

 

 「うつ病」の人は、薬を服用するだけでは人生の勉強になりません。

薬を服用しないと{頭の回転・思考能力が廻らない}、そんな場合は絶対に内服薬を飲みながら“心理療法”を受けましょう。

やがて薬は要らなくなるでしょう。

注意しておくべきは、自分の事ばかり考える事ではなく、時には他人が喜ぶ事もしてあげましょう。

 自己中心的な考え方、自己愛形(ナルシスト)の人もあまり関心できません。

何故なら、周囲の人達から嫌われる事になります。

あまりにも周囲から嫌悪感をもたれると、“悲しい思い”・“孤独な思い”をして自分の居場所がなくなってしまいます。

 

 そう、人生、時には周囲の人から嫌われたり馬鹿にされる場合もあるでしょう。

これが何時までも続かないようにする事がその人の手腕です。

どんなに努力や精進していても、時には周囲が認めない場合は有ります。

<<うつ病>>究極の世界(13)

2006 年 9 月 11 日

 「うつ病」になってしまった時から、脳脊髄液や血液が変化していると述べました。

即ち、心がパニックになって迷った時から体液は変化します。

心の迷いが先か、体液の変化が先か、どちらが先かは既に述べています。

一般の皆さんは、常日頃生まれたままの状態で生きて行きます。

俗世間の事をあれこれと考えながら生きるのです。

過去を振り返らずに、前だけ向いて生きるのです。

子供の時の考えが、そのまま自分の大脳深くに沈んで渦巻いています。

従って、大人になって人生を生きている時も幼児期の考えが含まれたまま、眼前の事象や環境を判断する事になります。

 

 「四苦八苦」、「五欲」などと言われていますが、突き詰めて考えると人間はこの様な事柄を考えて生きているのです。

 「四苦八苦」

何となく面白くないし苦しい{生}、老いたくない{老}、病気になりたくない{病}、死にたくない{死}などです。

<あれが欲しい、これが欲しいなどと何時も何かを得たいような感じ>{求不得苦}。

また、<愛する人とは別れたくない>{愛別離苦}。

人が生きていると<側に一人や二人は気に入らない人がいる、などと恨んだりします>{怨憎会苦}ね。

最終的には<何事につけても心が迷って生きる>{五蘊盛苦=色々な煩悩と言っても良いです}のが人間なのでしょう。

 「五欲」

あれが食べたい、これが食べたいなどと、自分の好みの物を一生懸命に探して贅沢をしたいのです{食欲}。

また思春期から大人になって来るとお互いに異性を求めますし災いの元となります{性欲}。

眠りたいのに眠られなければ大変でしょう{睡眠欲}。

地獄の沙汰も金次第ではないのですがお金を欲しがります{金銭欲}。

また、名誉や金銭など、人は欲しがります{名誉欲}。

 

 人は諸々の心を抱えて人生を生きています。

働かないと食にもありつけません。

働いて何がしかの金銭を稼いで日常生活を過ごします。

家族の中で育てられ、成長し大人になると、100%仕事をしなくてはならないでしょう。

何時までも、家族の中に{引きこもって}いたのでは駄目です。

やがては親の方から終末を迎えて滅してゆくのが人生です。

自分一人が残されても社会に適応する能力が必要です。

社会に生きる事は、人間の集団の中に自分を置くことであり、その環境の中に身を置くことです。

 

 楽しく、嬉しく、心安らかに、毎日の人生を送られる人は、絶対に「うつ病」にはなりません。

どうすればそんな楽しい人生を持てるか・・・でしょう。

<<うつ病>>究極の世界(12)

2006 年 9 月 6 日

 大人の「うつ病」では、これも厳密に述べれば子供時代の心の葛藤(固着と言っておきます)に{因}があります。

長年月間“心理療法”をやって来ましたが、上記の事についても説明を間いただけでは理解出来ないでしょう。

子供達の「うつ病」については、親が{原因}と言いました。

親の「うつ病」は、矢張りその人の親の{因果}が関わっていますし{固}と言えるのです。

 40歳~60歳代になって来ると、親から随分と離れた生活をしています。

その間に間接的でも{因}となったり、それなりの小さな{切っ掛け}の様なものは、それなりに複雑に絡まってきています。

当方から見れば何も複雑な事では無いのですが、長年月間“心理療法”に関わっていなければ全く解らないでしょう・・・。

しかし、ここで述べておかないと仕方ないです。

 親というか大人の「うつ病」は、置かれた状況で判断が必要ですね。

根源的には、何と言っても生い立ちから育んで来た{人格}の問題です、これだけは明確に述べておきます。

 

 ここでは、{切っ掛け}の色々なケースついて述べる事になります。

例えば、会社でのストレスの場合は前述しましたが、上司が嫌い、同僚が嫌い、部下が嫌

い(部下については、部下を如何に扱うかが分からない等)、自分が会社で出世したいが同僚が先に出世して取り残された場合などがあります。

また、人間関係でなければ、その会社での状況ですね。

自分はしっかり働いているのに給料が安い(本当は、平均的にみると充分に働いていない方が多い様・・・)、休日が少ない、サービス残業、福利厚生が充実していない、など。

 会社に勤務しない専業主婦では、嫁、姑、舅、主人、子供達、子供ができない、など色々あります。

最近は、嫁が姑や舅から<いびられる>事などは少なくなりましたね。

時代の流れは本当に速く変わります。

逆に、姑や舅が嫁から苛められて「うつ病」になる事はしばしばとあります。

 夫婦の関係が、ある{切っ掛け}で「うつ病」を発症する事はいくらでも有ります。

表面上は喧嘩していないように見えても、心の底では大変な{争い事}が起きている場

合は沢山とあります。

心の吐露を表面上に出すか出さないか、ですね。

嫁が悪いとか、主人が悪いとか・・・、どちらかが悪いに決まっています。

両方ともが悪い場合もありますが・・・。

夫婦の子育てにおいて、教育方針が違っていて喧嘩する場合も日常茶飯事ですね。

 

 家族に何事も揉め事がなく、平穏無事に過ごせるのは大変と難しいですね。

両者が互いに目に見えないところで我慢をしているでしょう。

<<うつ病>>究極の世界(11)

2006 年 9 月 2 日

 子供の「うつ病」は、親が原因ですね。

子供達の“心身症”、“神経症”、“うつ病”などは、親の育て方に問題があります。

親がどんなに金持ちでも、地位や名誉があっても、また、有名人であっても、自分の子供に如何に接して育てたかが問題でしょう。

また、夫婦がどんなに仲良くても、互いに子供に向き合っていなかったら、子供は上手く育たないですね。

逆に、親がまともな人生を歩いていないと、子供には不思議と分かるものです。

親が子供を放任したままの場合もあります。

親が子供に虐待をする場合もあります。

家族って、本当に大変ですね・・・。

 

 昨今は、子供達が自分一人で遊びごとに夢中になれる世界(パソコンや携帯電話や色々なゲームなど)、仮想現実と言われるものが出来上り、親子がふれあう時間が少ないですね。

子供が小さい頃から、肌と肌で衝突して、心の痛みと体の痛みを一緒に分かちあえる親であって欲しいのです。

幼少時、いや、新生児・乳幼児から心身に覚えていくものでしょう。

何事も無意識的に全てがインプットされて育ちます。

現代では、家族が何時も毎日一緒にいる場面も少なくなって来ているのではないでしょうか・・・。

 

 単身赴任は誠に大変ですね、また、転勤族などで親子が一緒に転地しても、その都度知らぬ人を友達として持つ能力が必要となりますが、案外と子供は苦労するみたいです。

ここで、単身赴任や転勤族、そういう親が悪いと言っている訳ではありません。

親の注意が余分に必要でありそうだと伝えているだけです。

ごく一般的な両親がいる家庭でも、子供の問題は沢山と起こっているのが現実ですから・・・。

「子育て」は難しいです、簡単ではありません。

ですから、より多くのお母さんやお父さんに「子育てに注意して欲しい」と言って願っています。

 

 全体的に見て「子供が学問やスポーツで優秀で秀でていればそれで良いのか?」と問われれば、それでは駄目だと思います。

説明が難しいですが、親と子の<生い立ち>での{信頼関係}が成立していなければ、子供が成長してから、問題も出易いですね。

子供が、親への{恩}を感じる能力を養っている事が必要です。

これはなかなか難しくて、口で説明して理解出来るものではありません。

 

“心理療法”を受けて初めて分かるでしょう。

これが解れば「うつ病」には、なり難い筈です。

<<うつ病>>究極の世界(10)

2006 年 8 月 31 日

 前回、「うつ病」は簡単に治ると述べました。

本当に簡単に治るのです。

しかし、心理療法を体験して自分が一体にどんな人間であるか・・・{真面目な人間}か{真面目でない人間}か、を十分に確認しておく事が必要なのです。

 

 当方、医師として、また心理士として、長期間に渡り<沢山の人>に出会ってきました。

本当に悲しく思うのは、「うつ病」の人を含めて、人間は“自分の心を知らずして他者の心を一生懸命に知りたいと思っている場合が多い”ことです。

自分の心を知って、初めて他者の心を読めるようになります。

 

 『重症うつ病』でも、何とか自分の思いを伝達できる人であれば心理療法が可能となります。

しかし、大変なのは『重症うつ病』で社会復帰できない人の場合ですね。

その周囲の人達の協力が<鍵を握る>事もあります。

時には、周囲の人達が{うつ病者}の原因になっている事もあります。

また、親が原因で子供(大人の場合もある)が、「うつ病」になっている事も沢山あります。

考え方によっては“人格”の問題だから、「うつ病」の原因は全てが親にあると言っても

言い過ぎではないでしょう。

その人の“人格”の問題だからですね。

「いや、生い立ちで親と一緒に住んでいた頃は、何も心の葛藤を抱えていなかった」と言う人もいるでしょう。

しかし、これが大きな間違いなのです。

家族から養われた後も、人は心の葛藤を無意識的に溜め込んで生きるものですから、家族から離れた後も少しは関係あります。

家族に養われている期間、離れた期間の両方とも、自分の心の旅をしておくものです。

 人は誰しも、“自分の生い立ち”をしっかりと過去の回想をしながら、心の世界を散歩すると、意外な過去の心の葛藤を発見するものです。

自分の過去の心の世界を散策した体験のない人達(たとえ御住職さんやお医者さんであっても)は、この心の世界について理解は出来ないものです。

しかし、体験すれば小学6年生からでも理解出来ます。

痴呆症が無ければ80歳の高齢者の人でも理解出来ます。

 

 {うつ病者}が回復して行かない場合は、側の人達の関係もあります。

周囲の人達も充分に注意が必要です。

会社に勤めていても同じですね。

会社の上司が、同僚が、または部下が、それぞれ“問題”や“切っ掛け”になっている場合もあります。

家族も同じです。

配偶者が“問題”や“切っ掛け”になっている場合もあります。

 子供の「うつ病」は親に“原因”があり、親の「うつ病」は子供に“切っ掛け”や“問題”がある・・・、こんな症例も沢山とあります。