<<不透明な道>>不透明な道(14)

 ⑦「怨憎会苦」なる言葉が、あります。

人間は、やたらに<人を恨みます>ね。

自分の思う通りになってくれないと、怒り心頭に達します。

 

 「怨憎」のために、{不安}、{寂しさ}、{孤独}、{劣等感}、{妬み}、{嫉妬}、などなど沢山のマイナスの気持ちが自分に圧し掛かって来ます。

「怨憎」なんて簡単に述べていますが、人間の心って愚かなものです。

知らず知らずのうちに、そんな心を抱えてしまうのですからね。

此の世に生まれてから、自分にとって都合の良い物事だけが自分に付いて廻るのではありません。

未熟な人達が、多過ぎます。

 

自分の{見栄}と{虚栄心}にのみ、ほれ込んでしまい、自分以外の他者を惚れ込んで<他者を褒める事>を知らない人達が多いですよ。

自分の思い通りにならない人に出会うと、すぐに立腹したり恨んだりします。

自分が一番に真面目だと、思いたいのですね。

人間って、真実に心から真面目で素直で誰にでも親切にできる、なんて不可能です。

人は、自分の心の底の方で恨みや悔しさや憎しみを持っていても、他者の御機嫌とりもしたります。

自分が如何に生きれば、此の世を生きて行くのが気楽になるのかを、みんなが知りません。

 

小さい頃から、兄弟姉妹の間でも、お菓子の取り具合で喧嘩したりもします。

親同士、母や父の間の喧嘩さえも見ますよ。

嫌で嫌い、ですよ。

親の夫婦の喧嘩を子供から見れば、一番に辛いです。

そんな子供達の気持ちを忘れて、夫婦喧嘩って、しょっちゅうと起こります。

親戚同士の喧嘩も、耳にしたりします。

近隣同士の喧嘩も、見ます。

子供の時から、こんな惨めな喧嘩を見て育ちますと、必ず、子供達が大人になった時には、すぐに、他人を恨む大人になり易いですね。

 

お金の持ち具合でも、喧嘩します。

怖いのは、両親が死ぬと、財産相続で子供達が揃って喧嘩をします。

自分達に、一番に沢山と財産が残るように大きな喧嘩をします。

皆が大人になって、よい年齢を重ねてから喧嘩するのですから、真面目な人間って、そんなに居りません。

小さく考えれば、隣同士の土地の境界線で揉め事になったり、国対国でも国の境界線でも、国同士で必ず喧嘩をします。

哀れな人間の多い事ですね。         

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